正しく知って、正しく使おう
ステロイド外用薬

肌のかゆみは
早く抑えたいけど
「ステロイド外用薬」(ステロイドが配合された塗り薬)
怖くないの?

ステロイド外用薬は、正しい使い方をすれば、
かゆみや炎症の広がりを抑えられる
すぐれた治療薬です。

塗る部位(患部)や、使用する人の年齢にあった
ステロイド外用薬を選んで、使い分けましょう。

ステロイド イメージ画像

ステロイド外用薬について

ステロイド外用薬は、炎症を抑える作用にすぐれています。湿疹や皮膚炎で肌が赤くなったり、かゆみを感じたりするのは、皮膚の炎症が原因ですが、ステロイド外用薬を塗ることで、赤みやかゆみを鎮めて、炎症の広がりを抑えることができます。

ステロイド外用薬の
正しい使い方

ステロイド外用薬は、塗る部位や、使用する人の年齢によって使い分けることが大切です。適切なステロイドの効果の強さ、薬の剤形を選んで、使用上の注意を守って正しく使用しましょう。

ステロイドの効果の強さの選び方

ステロイドは、皮膚が薄いほど体への吸収率が高くなります。体は部位によって皮膚の厚さは異なるので、ステロイド外用薬を使用する患部によって、ステロイドの効果の強さが違う薬を使い分けることが大切です。

全身のステロイド吸収率

前腕(内側)の吸収率を1.0とした場合の比率

全身のステロイド吸収率
参考:Feldmann RJ,et al:J Invest Dermatol 1967:48(2):181-183

手のひら、足の裏は吸収率が低いので効果の強いステロイドを使用しても副作用は起こりにくく、その一方で、皮膚が薄い、顔や陰部(デリケートゾーン)など吸収率が高い部位は長期にわたって使用すると、局所性(塗った部分)副作用を起こしやすくなるので注意が必要です。

また、子どもは大人よりも吸収率が高くなります。乳幼児では全身的な影響が出やすいので注意が必要です。

軟膏やクリームなど、薬の剤形で選ぶ

ステロイド外用薬には、同じ有効成分でも、軟膏やクリーム、ローションなどさまざまな剤形があります。部位によって塗りやすいものを選ぶのはもちろん、好みの塗り心地でも選ぶことができます。

薬を使用する期間の目安

ステロイドの効果の弱いステロイド外用薬でも、長期にわたって使用すると、副作用を起こす可能性は高まります。
市販の薬であれば、顔など吸収率が高い部位で数日~1週間程度、手足など吸収率が低い部位で1週間~10日程度が使用期間の目安となります。ある程度の期間使用しても症状の改善が見られない場合には、皮膚科で診察を受けてください。

ステロイドの効果の
強さ(ランク)

ステロイドの効果の強さは5段階に分類されます。市販のステロイド外用薬では、効果が弱い方から3段階(「弱い(weak)」「普通(medium)」「強い(strong)」)が使用されています。
効果の強い「とても強い(very strong)」「最も強い(strongest)」は医療用医薬品でのみ使用されます。

市販のステロイドと医療用医薬品の効果の強さ

ステロイドの副作用

ステロイド外用薬が副作用を起こすことは、長期にわたって大量に、効果の強いステロイドを使用しない限り、まず心配ありません。
ただし、ステロイドは慎重に用いるべき薬です。用法・用量や注意事項を守り、正しい使い方をすることが大切です。

注意事項
  • ・広範囲に(大量に)使わない。
  • ・長期間使用し続けない。
  • ・感染を起こしている部位には使わない。
  • ・予防的に使わない。

アンテドラッグステロイドって、
ステロイドとは違うの?

アンテドラッグステロイドとステロイドには、体内に吸収されてからの全身への影響に違いがあります。

「アンテドラッグ」とは、患部(局所)ではすぐれた効果を発揮した後、体内(全身)に吸収されてからは、速やかに分解するように設計された薬剤です。その代表的な薬が、アンテドラッグステロイド成分です。

監修の先生ご紹介

横山 美保子 先生〈横山皮フ科クリニック〉
アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、にきびなどの疾患を主に診察。皮膚科の延長としての美容皮膚科の診断および治療もおこなっている。

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